カクテルの王様「マティーニ」の深淵。シンプルゆえに誤魔化しがきかない、職人のこだわりとは?
- 八幡平クリエイティブ・ラボ

- 4月2日
- 読了時間: 3分
「カクテルはマティーニに始まり、マティーニに終わる」そんな言葉があるほど、この一杯は特別です。ジンとベルモット、時にはビターズを加えるだけという究極にシンプルなレシピ。しかし、だからこそバーテンダーの哲学がすべて露呈してしまう、恐ろしくも美しいカクテルです。私にとってマティーニは、30年前にバーテンダーとして初めて向き合った時の緊張感を今でも思い出す、特別な存在です。

マティーニは十人十色の正解がある「究極のシンプル」
マティーニの面白さは、「バーテンダーが10人いれば、10通りの味わいがある」と言われるほどの多様性にあります。
使うジンの銘柄、ベルモットとの配合比率、さらにステアの回数。わずかな温度や氷の溶け具合で、その表情は劇的に変わります。シンプルだからこそ、素材の良さと作り手の技術がダイレクトに伝わる。まさに「誤魔化しがきかない」一杯なのです。
味わいを深化させる「ベルモットリンス」の魔法
LEOS the BARで私が大切にしている工程の一つに、**「ベルモットリンス」**があります。
これは、ミキシンググラスに入れた氷に一度ベルモットを纏わせ、余分な水分と一緒に捨てる下処理のことです。
このひと手間を加えることで、氷そのものの雑味を取り除き、ベルモットの芳醇な香りだけを氷に定着させます。そこへ冷えたジンを注ぎ込み、素早くステアする。この繊細なプロセスこそが、凛としていながらも奥行きのある、深い味わいを生むのです。
「オリーブ」にまつわる、よくある疑問にお答えします
バーカウンターに立っていると、お客様からよくこんな質問をいただきます。
「このオリーブ、いつ食べればいいんですか?」
答えはシンプルです。
「いつ召し上がっても構いません」。
最初の一口の前に食べて口の中を塩気で整えるのも良し、途中で味の変化を楽しむのも良し。もちろん、お酒を飲み干した後の楽しみに取っておいても正解です。マナーを気にするよりも、その一杯を一番美味しいと感じるタイミングで楽しんでいただくことが、作り手として一番嬉しいことです。
辛口の美学。チャレンジする勇気もまたカクテルの楽しみ
マティーニは、非常に辛口でアルコール度数の高いカクテルです。正直に申し上げれば、お酒に強くない方には手放しでおすすめできる一杯ではありません。
しかし、もしあなたが「カクテルの真髄に触れてみたい」と思うなら、ぜひ一度チャレンジしてみてください。その鋭い切れ味の奥にある、ジンのボタニカルな香りとベルモットの調和を感じたとき、新しいお酒の扉が開くはずです。
【Martini:カクテル・データ】
●アルコール度数 ★★★★★
・約30度〜35度。お酒の中では最強クラスです。
●辛口度 ★★★★★
・ジンとドライベルモットのキレを楽しむ超辛口。
●飲みごたえ ★★★★☆
・重厚感があり、ゆっくりと味わう一杯です。
●バーテンダーからのアドバイス
「強いお酒は少し不安……」という方は、ジンとベルモットの比率を変えて少しマイルドに調整したり、しっかり冷やして加水率を調整することで、口当たりを優しくすることも可能です。その日の体調や好みに合わせて、お気軽にご相談くださいね。
●LEOS the BARで、あなただけの「王様」を
30年前に宮城でバーテンダーをしていた頃の情熱と、その後、整体師として「職人」の道を歩んできた今の感覚。様々な経験をしてきたからこそお創りできる今の私にしか出せない一杯を仕上げます。八幡平の静かな夜、クリスタルな氷が奏でるステアの音と共に、LEOS the BARのカウンターでお待ちしております。


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